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2010-12-28(Tue)

豊田正子の本まとめその1

最近、作家・豊田正子には待っている。
きっかけは、今年の夏。たまたま図書館で借りた児童文学に関する本(タイトルは忘れた)に豊田正子の「うさぎ」が収録されてるのを読んで興味を持った。小学生らしい素直な文章を読んで、とってもうれしくなっちゃいました。
ちなみに、この時からすでに私の脳内では正公(まーこう)は、「怪談レストラン」のアコちゃんのイメージに変換されてる。そういえばアコちゃんは小説化志望じゃなかったっけ?うろおぼえ。
とりあえず、初期の作品についてまとめておく。

『綴方読本』、鈴木三重吉「著」、中央公論社、1935年(昭和10年)
鈴木三重吉が綴方(今でいう作文)の指導方法をまとめた本。上編と下編の2部構成。上編には雑誌「赤い鳥」に掲載された綴方44作を収録。下編は小難しい理論部分。上編に収録されている豊田正子の綴方は「火事」「はだしたび」「にわとり」の3作。いずれも、後に出版された『綴方教室』に収録されてるので、そっちを持ってればとくにこの『綴方読本』は読む必要はないんだけれど、同時代の子供たちがどんな作文を書いていたか気になったので一応読んだ。
この中で特に印象に残っているのは小6男子の書いた「おまいり」です。病弱な姉と弟の話なんですが、姉と弟というのはかなり私のつぼなので・・・。両親がツツジ神様が病気に聞くというので姉におまいりするように勧めるが、ぐずぐず言って、なかなか行こうとしない。人に道を尋ねたりするのが恥ずかしいらしい。そこで弟が気を利かして、一緒に行ってやることにする。道中、病弱な姉を心配する弟、その弟にキャラメルを買ってやる姉など、お互いを思いやる気持ちがあったかい。
ちなみに、かつて講談社から講談社学術文庫版が出ていたが(今は絶版)、これは下編のみ収録されており、上編がカットされている。個人的には、上編こそ読みたかった部分なので、がっかりですね。

『綴方教室』、大木顕一郎・清水幸治「著」、中央公論社、1937年(昭和12年)8月3日発行
戦前の本ですが、当時大ベストセラーだっただけに、現在でも入手しやすい。ちなみに私が入手したのは改訂71版です。
前編と後編の2部構成。
前編は教師・大木顕一郎が豊田正子をいかに指導したかが書かれる。最初のほうは、指導前と指導後の綴方を両方載せてあるので、その進歩がよくわかる。いわいる『綴方教室』というと、この前編だけを思い浮かべる人が多いようですね。
後編は、清水幸治による学年別の指導方法。作例がすべて、男子によるものなので、花がない。

『続綴方教室』、大木顕一郎「編」、中央公論社、1939年(昭和14年)1月8日発行
これは完全に豊田正子の作品集。内容は『綴方教室』以降、小学校卒業後、レース工場で働いていたころのこと。個人的には女工仲間の友ちゃんがおもしろい。私の中では、完全に釘宮キャラ。
大木顕一郎によるあとがきあり。

『綴方教室』と『続綴方教室』はその後いろいろな出版社から出版されたのだが図書館に通って確認してみた。

東西出版版
『綴方教室』、豊田正子「序」・大木顕一郎「著」、東西出版、1948年(昭和23年)3月1日発行
装丁:まつやまふみお
「大木先生の仕事(序にかえて)」という文章が巻頭にある。もちろん豊田正子の文なのだが、これが17ページもあって読み応えがある。基本的に大木先生との思い出話なのだが、ほかではかかれてないエピソードがあるのが貴重かも。特に女工時代に女工仲間とお盆のお化け大会に行きたいのに、先生の家で綴方の書き直しをするよういわれ、もじもじしまくってる正公が楽しい。お化け大会に行きたいなら行きたいと言えばいいだけなのに、それが言えない正公であった。
基本的に大木顕一郎あっての『綴方教室』というかんじで先生を立てている感じ。そうゆうわけで、大木先生による指導記録もそのまま。
本編は中央公論社版の『綴方教室』と同じ。正編のみ収録。

ハト書房版
『綴方教室』、ハト書房、1951年(昭和26年)4月15日発行
口絵に著者近影あり。
巻頭に「小学校生活と綴方」と題する豊田正子の文章あり。これは1950年10月社会科教育43号に掲載されたものらしい。
本編は『綴方教室』と『続綴方教室』を収録。『綴方教室』の大木先生による指導記録もそのままあります。
巻末には江馬なかしによる解説「豊田正子の作品」がある。

角川文庫版
『綴方教室』、角川文庫、1952年(昭和27年)2月20日発行
初めて、母の不倫をあつかった「悲しき記録」を収録。そのかわり、『続綴方教室』の一部エピソードが未収録。『綴方教室』の大木顕一郎による指導記録はなし。
著者によるあとがきあり。そこで、大木顕一郎による『続綴方教室』の改作があったことが言及され、一部元原稿との比較がある。
角川文庫編集部による解説もある。そこで、川端康成、春日正一、野間宏の批評が引用されている。

理論社版
『定本綴方教室』、理論社、1959年(昭和34年)2月発行
著者によるまえがきと小宮山量平による解説つき。口絵部分には、著者の写真「作者16才の秋・レース女工の作業服で」がのってる。『綴方教室』の大木顕一郎による指導記録はなし。
1963年(昭和38年)に改訂版が出される。

木鶏社版
『綴方教室』、木鶏社(発売は星雲社)、1984年(昭和59年)9月27日発行
今のところこれが『綴方教室』『続綴方教室』の決定版と言っていいだろう。正続両方のすべてのエピソードを収録し、角川文庫版にしかなかった「悲しき記録」も収録。。『綴方教室』の大木顕一郎による指導記録もちゃんとあるし、元の原稿があるものについては、できる限り修復しているまさに完璧版である。
巻末には「発行者より」と題して、編集方針が説明されている。さらに、これまで発行された出版社別の収録エピソード表付。これを見ると同じエピソードでも微妙にタイトルが違ってるものがあるのが一目瞭然で便利。口絵部分には著者の写真あり。

岩波文庫版
『新編綴方教室』、山住正巳編、岩波文庫、1995年(平成7年)7月17日発行
「新編 綴方教室」のタイトルで出版された。そのため池内 紀(著)の「新編 綴方教室」と同じでまぎらわしい。最も新しい版で、今でも大きな書店ならたいてい置いてある。『綴方教室』に関しては木鶏社版と同様に完璧。『続綴方教室』と『粘土のお面』は5作ずつおまけ程度に収録。なんだか、中途半端ですね。口絵部分に著者近影あり。「編者まえがき」「編注」「解説(山住 正己)」付。

『粘土のお面』、中央公論社、1941年(昭和16年)1月20日発行
これは女工時代に、小学1~3年生あたりのことを思い出して書いた作品。つまり時系列的には、この作品の後に『綴方教室』の話がある。
口絵に著者の当時の写真が載ってる。
綴り方11作のほかに、「雑」として7作収録されてる。この「雑」のなかでは「綴方教室の撮影を見る」が特に興味深い。著者が映画の撮影を見学する話です。ここでの高峰秀子はちょっとツンとした感じなので、私の脳内では自然に釘宮キャラになってしまった。
著者によるあとがきあり。あとがきで、山下清のことがちょっと触れられてるのを読んで、あ~ちょうどそういう時代なんだなと、みょうに納得してしまった。

これもその後いろいろな出版社から出ているのでまとめておく。

角川文庫版
『粘土のお面』、角川文庫、1951年(昭和26年)6月15日発行
巻末に江馬なかしによる『「粘土のお面」について』(1951年5月10日)という解説あり。
挿絵が数箇所挿入されてる。
雑編からは「ドンちゃん」と「春の一日」だけが収録されてる。それ以外の雑編は未収録。

理論社版
『粘土のお面』(リロン・らいぶらりい)、理論社、1960年(昭和35年)1月発行
「リロン・らいぶらりい」として発売。著者によるあとがきあり。雑編は収録されてない。

木鶏社版
『粘土のお面』、木鶏社(発売は星雲社)、1985年(昭和60年)12月1日発行
巻末に著者による「あとがき」、高橋揆一郎による「解説」、「発行者より」がある。「発行者より」にも書いてあるが、中央公論社版にあった雑編として収録されている7つの短編は著者の意向により割愛されてる。

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