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2010-04-13(Tue)

島津郷輔著「美しき旅路」を読んで

昭和25年4月、文園社発行の「長編少女小説」
これはおもしろかった!
とにかく文章が楽しい!
おもわず、笑ってしまうことが多い。
展開も速く、あっというまに読んでしまった。

とにかく意外な展開や、次々と明かされるキャラクター同士の意外なつながりがおもしろい。この感じ、何かに似てると思ったら、あれだ、海外ドラマの「HEROES/ヒーローズ」だ。巧妙に伏線を張っているようでもあるし、行き当たりばったりなようでもある。そんな感じ。

以下、ネタばれ全開で行きます。
登場人物
田中よし子:13才くらい。孤児。少年少女保護収容所から脱走する。(実は、柳子のめい)
正ちゃん(三條正太郎):15才くらい。スリ学校の生徒。(実は、双葉の弟)
時子:16~19才くらい。スリ学校の生徒。
濱島柳子:スリ学校の校長先生。強盗団の女親分。(実は、よし子の叔母さん。)(実は、三上節子の妹)
盤さん:スリ学校の教頭。
熊公:盤さんの弟分。後に改心して「熊ちゃん」と呼ばれる。
松井武夫博士:放送局の「二十の扉」に出演してるユーモリスト。
楠間嶺南(くすまれいなん):美女嫌いの大画家。松井博士の親友。かつて、柳子と婚約していた。
門馬ドクトル:医者。楠間嶺南の友達。
三上節子:有名な女流画家。(実は、柳子の姉)
三條双葉:三上節子のめい。(実は、正ちゃんの姉)

ストーリーを簡単にまとめると。
収容所から脱出した主人公のよし子は新宿でだまされてスリ学校に入れられる。(一見、よし子がだまされたのは偶然のようの思われるが、実は柳子の周到な計画だったことが後に判明する)
スリ学校から逃げたり、また捕まったり、いろいろあって最後は三上節子に引き取られて、めでたしめでたし。
このよし子のストーリーを軸に、正ちゃんや双葉の話がいろいろ絡んでくるのだ。なかでも、一番印象的なのは柳子の話。楠間嶺南と婚約していたはずなのに、悪いやつらにだまされて、強盗団の女親分にまで身を落とす。改心した後、アジトを燃やして自殺しようとするが、偶然通りかかった楠間嶺南に助けられる。でも、結局最後は亡くなるという、ちょっとかわいそうなラストでした。この小説の真の主人公は、この柳子かもしれない。

以下、特に面白かったところを少し引用してみる。

三上節子、双葉、よし子たちがタクシーに乗って帰ろうとしたら、怪しい場所へ連れてこられたシーン

「ここはどこなの」
三上節子女史はおちついてききます。
「ここかい?」
と運転手。
「ここは地獄の一丁目さ」
「そうすると、二丁目三丁目というのが、あるんだね」
「・・・・・・・・・」
「よろしい行きましょう」
(157ページ)



「そうすると、二丁目三丁目というのが、あるんだね」というボケに「・・・・・・・・・」という反応しかできない運転手がおかしい。
その少し後のこの文も、楽しい。

といつた途端、あーら不思議タキシーもろとも地下がすーッと下つていつたのです。



緊迫した場面で、この「あーら不思議」はなごむ。

ところで、松井博士が出演しているという「二十の扉」という番組って、最近はじまったNHKの「クエスタ」に似てるな。

テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

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