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2010-04-02(Fri)

平山城児著「川端康成 余白を埋める」を読んで

2003年発行。川端康成に関する評論本です。
商品の説明を引用すると

川端康成作「歌劇学校」のゴースト・ライターが著者の母であるということについての考証を中心に、代筆の連鎖という現象、川端と舞踊など、著者の父母の代から始まった川端家との交流を通して考察する川端論。



「著者の母」と言うのは平山城児の母のことです。最初、この説明文を読んだとき川端康成の母と誤解してしまったのは私だけでしょうか?とにかく、この本を読めば、「歌劇学校」の著者が平山城児の母であることがはっきりと実感できる。この本を読まずして、「歌劇学校」を語ることはできない!

著者の母・宮子さんは実際に宝塚歌劇学校の生徒であり、自分の体験を元に作品を書いたらしい。そう言われて見れば、歌劇学校の描写がやたら細かかったな。ちなみに宮子さんが歌劇学校に入学したのは大正13年4月。その後6年くらいの歌劇学校での思い出を元に小説を書いたらしい。

この本を参考に宮子さんの略歴を簡単にまとめてみた。
略歴
明治42年(1909)3月15日生まれ
大正4年(1915)4月天王寺第五小学校入学
大正10年(1921)3月卒業
大正10年(1921)4月プール女学校(大阪)入学、3年間在学
大正13年(1924)4月宝塚入学、このとき数え年で16歳、昭和5年ごろまで在籍
退団後、平山清郎と結婚
「ひまわり」昭和24年6月号に「歌劇学校」第1回が掲載
「ひまわり」昭和25年7月号に第13回(最終回)が掲載
昭和25年12月最初の単行本化(ひまわり社)表紙は中原淳一
昭和28年1月再販(ポプラ社)カバー絵が松本昌美、挿絵が花房英樹
昭和36年1月再販(ポプラ社)カバー絵が辰巳まさ江、挿絵が日向房子
昭和39年7月3日、55才で亡くなる

小説の中に登場する人物には、たいていモデルがいるらしい。小説の中の出来事も実際にあったことを元にしてることが多いようだ。主人公の初役がビリケンとういのも事実そうだったらしい。そのときの写真、残ってないのかな?

小説のキャラと現実の人物との対応
松浦友子:宮子、芸名は近江ひさ子
古賀さん:嵯峨あきら(本名:古賀野とみ子)
夕張早苗:天津乙女
坂東さつき:坂東のしほ
深見先生:久松一声
杉山先生:岸田辰弥
中町先生:白井鐵造
平賀さん:平賀富士
木村校長:小林十三

この小説のラストがなんとなくスッキリしないのも、なんとなく理解できた。小説には書かれていないが、この時期、宮子さんは著者の父・平山清郎と付き合い始めており(遠距離恋愛)、結局、宝塚をやめて結婚という道を選んだ。
いかに戦後でもこの時代少女向けで男女の恋愛はまだおおっぴらに書くことはできなかったのかな?それに、当時の読者にとっては結婚するため退団するというラストでは、あまり歓迎されなかったかも。

また、小説の登場人物はみんないい人ばかりで、あまり辛い展開にならない理由もなんとなくわかる。実際に小説を書いたのは、宮子さんがおばちゃんになってからで、昔の青春時代を思い出しながら書いたことになる。歌劇学校時代は、おそらく彼女の人生の絶頂期だったのだろう。そのころの思い出は美化されて記憶されてるのかもしれない。

突然だが、最近「ゲゲゲの女房」が朝ドラでやってるよね。
ちょっと、この「歌劇学校」と「川端康成 余白を埋める」を原作にすれば、似たような感じでドラマ化できるのではと妄想してしまった。前半は宮子さんの女学生時代から宝塚時代を中心に、後半は結婚後、駄目な夫のせいで苦労しながらもゴーストライターとして「歌劇学校」を執筆するまで、という構成でやればどうだろう?
でも、良く考えたら、ゲゲゲの旦那は最終的に有名人になったのに対して、こちらの夫は無名の物書き。今風に言えば、才能もないのに「今はまだ本気出してないだけ」とか言って何もしないニートみたいな人物である。なので結婚後の人生はドラマ化しても面白くないかも。ただ、川端のゴーストライターとして「歌劇学校」を書いていた時代は、おそらく人生で2番目に充実していた時代ではないでしょうか。そのへんをうまい具合にドラマ化すれば面白くなるかも。
しかし、当時の宝塚歌劇を再現するのはたいへん難しいだろうな。

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コメント

これは面白い

興味深くかつ最後は笑える展開でした。この評論本に興味を覚えました。NHK朝ドラは戦前のタカラヅカを描いたドラマを制作しています。タイトルは「虹を織る」(←スポットライトをイメージしたタイトルですね)主演は紺野美沙子でした。ヒロインはやはり結婚を機にタカラヅカをやめ、戦後は少女たちを相手にバレエ教室を開くのでした。

もうひとつおまけに

話題がどことなくシンクロしているので。韓国の純情漫画誌「WINK」(ソウル文化社)に連載中の「春鶯傳」は日本統治下で、キーセンの伝統芸と日本から浸透した西洋の新しい芸の修行に励む少女、林春鶯(イム・チュンエン)の青春ものです。物語背景として、タカラヅカに留学、修行した朝鮮人の演劇人達も登場したりします。実在した韓国の「女性国劇」のスターをモデルにした漫画です。

「虹を織る」はまったく知りませんでした。1980年放送ですから、もうずいぶん昔になりますね。まったく見た記憶がない。戦前の宝塚がどんな感じで表現されてたのか気になりますね。

ttp://www.hyogonet.com/drama/nijiwooru.html
このサイトであらすじ見ましたが、たしかに似たような内容ですね。これだけ内容がかぶってると、いまさら「歌劇学校」のドラマ化なんてなさそうですね。

基本的には

「虹を織る」のタカラヅカは数多の朝ドラで見られた女学校ものドラマの演出でしたね。違うのは稽古場で白い稽古着でバレエの稽古をしている場面がよくあったことです。ステージ本番の見せ場は、演劇ではなくて、ラインダンスでした。
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