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2010-01-22(Fri)

佐藤紅緑「ああ玉杯に花うけて」を読んで

「少年倶楽部」昭和2年5月号~昭和3年4月号に連載された少年小説。
戦前の少年少女小説を調べていると、よく名作として紹介されている作品なので前から気になっていた作品。たまたま古本屋で少年倶楽部文庫版(昭和50年発行)を見つけたので買って読んでみた。

登場人物
チビ公:勉強はできるほうだが、貧乏なので中学に通えない。途中から、黙々塾へ通う。
柳君:チビ公の小学校時代からの友達。優等生。
生蕃:中学一の乱暴者。父親は助役。
手塚:不良仲間と付き合ってる。活動や芝居が大好き。父親は医者。
文子:柳君の妹。
やはり、少女小説とちがって硬派ですね。そして、作者の主張がかなりストレートに出てる。とにかく、堕落せず、清く正しく生きよ!という当時の少年に向けたメッセージが伝わってくるな。
でも、一番言いたかったのは、へそ力かも。へそは大事だよ!

途中、野球がはやりだし、黙々塾のチームと中学校のチームが試合をすることになる。このへんは、弱小チームがいきなりエリート校と対戦するという定番の展開ですが、なんだか大正野球娘的で嬉しい。ちなみに試合は、黙々先生直伝のへそ力で黙々塾が勝利します。

印象的だったのは活動写真に対する柳君の態度。活動ばかり見てる手塚に対して、活動を糞ミソにけなします。

「面白いかね、あんな不純なもの、あんな醜悪なものは面白いかね」
「活動はもっとも低級で俗悪で下劣な趣味だ、下劣な趣味にふけると人格が下劣になる」
「活動の小屋は豚小屋のようだ、はきだめのようだ。」



などと言って、けなしまくります。これって作者の気持ちを代弁してるのだろうか?これが当時の一般認識なのだろうな。「活動」の部分を「漫画」や「アニメ」や「2ちゃんねる」に置き換えてみるのもおもしろい。

これに対して手塚のは
「ぼくは下劣だとは思わない」とがんばるが、しかし、このあとも柳の説得は長々続き、最後は(一時的にだが)改心するのだった。

後、個人的に気になったのは最初に文子が登場したときの描写でこんなのがある

一生懸命にゴムほおずきを口でならしていた。(52ページ)



以前ならイメージのわかない表現だったろうが、ちょっと前に「探偵ナイトスクープ」でほおずきをならすネタを見た後なので、ちょっと嬉しい。だが、ゴムほおずきというのは、本物のほおづきではなく、ゴム製のおもちゃ?

基本的に、少年向けなので少女の出番は少ないのだが、文子だけはこの後も、不良少年少女たちの罠にはまって堕落しかけたり、それなりに出番があるのが嬉しい。

ちなみにこの小説は青空文庫で全文読めるようになってます。

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